変な表紙・・・

ゲッベルスの贈り物 (創元推理文庫)

ゲッベルスの贈り物 (創元推理文庫)

なんか、私が買ったのはこんな表紙じゃなかったと思うんですけど・・?
(読んだばかりなのに自信を持って違うとは言えないあたり・・)


それはともかくおもしろかったです!
推理小説を読んだ!という感じがしました。
普段は、何も考えずに読み進め、
衝撃の事実が発覚したりするくだりで、
「ええーー!」と驚いたり「ははー」と唸ったりするだけなのだけど、
今回は物語に取り込まれてしまい、ずっと推理しながら読んでました。
そのせいでドキドキ感も増し、より楽しめたような気がします。
そして結局は著者にまんまと騙されたかたちになり、悔しかったです。
その悔しさが、おもしろかった。


DEATH NOTE」でも同じことを言っているけど、
どんなにそれが正論であって、納得がいくものだとしても、
人が人を裁くことは愚かなことだと、この小説でも言っていました。
人の死は、自分自身にも決められないし、
ましてそれを他人が決めるなんて。
ただ、歪んでいるにしろ、一応その人だって、
将来のことを真剣に考えて出した結果で、
人間の傲慢な部分が出てしまっていただけで、支配欲こそあれ、
世の中ぐちゃぐちゃになってしまえばいいという破壊欲があった訳ではないから、
憎みきれないものを感じ、ある意味、切なくもありました。


自分には関係ないからと言って、ところかまわずポイ捨てする人間と、
この世界の未来のためにと言って、人を殺める人間では、
前者はただ腹立たしいだけなんだけど、
後者には腹立たしさはそりゃ感じるとしても、
もっと違う方法が考えられなかったのかと、
ちょっと同情の余地があるような気がしてきます。
いやー、もう絶対ダメなんですけど。