なんだかすごい幸福感

ラインマーカーズ: The Best Of Homura Hiroshi

ラインマーカーズ: The Best Of Homura Hiroshi

今日の締切はバイトの私一人だけが異常に忙しい日で、
だいたい毎月この日は昼食を食べ損ね、
ぶっ続けで仕事しているうちに舌がまわらなくなって、
次にキーボードを頻繁に打ち間違えるようになって、
ついには考えることができなくなってようやく、
糖が足りない!!とか思うのですが、
やっぱり今日もそんな日でした。
そんな日にあえて読書をすることもないんだけど、
もしくらくらする頭が文字を欲する場合、
個人的には最適だと思っているのが、こういった歌集です。


もちろんくらくらしていなくても、
半年に一度か二度は、好きで歌集を読みます。
臨時収入が入った時なんかは、写真集か短歌集を買います。
先日も、ちょっとした記念で購入したのが、
この「ラインマーカーズ」です。


短歌というものは不思議で、
メロディーにも乗せないで、文字数も限られているのに、
どうしてこんなにも伝わるのか、
それが知りたくて読むんだけど、全くわかりません。
だからこれからもずっと読み続けるであろう、
大好きな日本の文化です。
古典も読むし、歌物語も好きだけど、
やはり現代語で詠まれた歌が一番しっくりきます。
ちなみに自分では授業で1つ2つ詠んだ経験しかありません。
(そこで自分の才能のなさを知る)


この作品集の作者は男性ですが、
可愛らしくてきらきらした言葉たちの中に、
ふっととげとげしい言葉や感情が紛れていたり、
すごく悲しい歌があると思えば、皮肉満載の歌もあって、
感情の振れ方が一定でないところに、
どことなく女性的な部分を感じました。
長い期間で詠んだ作品たちをまとめたものらしいので、
一冊の中に何年もの想いがつまっていて、
その時その時の変わっていく心が反映されているから、
もしかしたら私の感じた振り幅は年月によるもので、
本当はそれほど大きなものではないかもしれないけど。


急に男らしい歌が登場して、
そういう風に裏切られるのもまた心地よく、
何日かかけてその文字たちを眺めていました。
見逃してしまっている美しい瞬間や、
見ないようにしている残酷な瞬間や、
いつもそこにある日常を、
たった31文字で切り取っただけのこと。
ただそれだけのことだけど、眺めていたら胸がいっぱいになって、
なぜだか少し笑っていいて、
気付いたら一句目に載っていた大好きな歌を覚えました。