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COMPLETE BEST ALBUM 「FRESH」 (1ヶ月期間生産限定盤DVD付)

COMPLETE BEST ALBUM 「FRESH」 (1ヶ月期間生産限定盤DVD付)


ずるいなあと思いつつも買いました。
前回の「FRESH」が出た時も、
アルバム全部持ってたら必要ないじゃんと思ってたし、
何よりTAKUYAが発売順に曲を並べただけのベストなんて、
全然良いと思わない、というようなことを言っていたから、
買ったもののそんなに聴いてなかったんですね。
(でも買ってしまうファン心理)


で、今回出たコンプリート版も、
同じように別にいらないじゃんと思ってたんだけど、
なんかTAKUYAが全曲リマスタリングしたとか言うから、
思わず買ってしまいました。
もうコレクションの感覚で、
別の意味でのコンプリートを目指して。


と、なんだかんだと文句を言いつつも、
最近はほとんど聴かない「J・A・M」の曲を久々に聴くことで、
懐かしく愛しい思い出にひたれました。
だいたいJUDY AND MARYというバンドは、
私の青春時代のど真ん中に居座り続けた人たちなので、
最も感情の起伏が激しかった頃の私の喜怒哀楽が、
音の全てに貼り付いているんです。


高校の教室、自転車置き場、部室、グラウンド、
大学の最寄り駅、山梨で住み込んだ部屋、
バイトの帰り道、電話、狭い部屋。
昨日のことみたいに思い出せます。
愛しい日々も恋も優しい歌も泡のように消えてく、
YUKIは歌うけど、
消えていくものが残した記憶は今も私の中にあります。
思い出の中に生きることはバカバカしいけど、
思い出を持って生きることは幸せなことです。
JAMの歌は必然的に恋の隣にあることが多かったけど、
それだけじゃない私の大切な想いが全部、
歌の中に封じ込めてあります。
真空パックで。だからFRESHなんだと思う。


何かにくじけてバランスを崩したときに、
必ず聴くのがJUDY AND MARYです。
悲しいことややるせないことを、
笑って歌えるまでにどれだけの涙を流したのか、
私にもようやく想像ができるような年齢になって、
改めてJAMの(とりわけYUKIの)凄さを思い知っています。
JAMが解散して私の青春も終わったけど、聴いたら戻れる。
どうやって自分が前を向き直してきたかが、そこに記録されている。
そうやってさらに新しい感情を貼り付けながら、
きっとこれからもずっと聴く音楽なんだと思います。


まあ、それが今回のベストアルバムじゃなくてもいいんだけどね。
だけど、たった7年しか活動しなかったバンドの活動期間と、
自分の青春時代がぴったりと重なっていた幸運に気付かされるCDではあります。
当時はいて当たり前の存在だったけど、
2枚組のアルバムに収まっちゃうくらいの短い期間の活動を、
リアルタイムで知ることができ聴くことができたのは、
本当にラッキーなことだったんだと、今になって思います。
誰にとってもそういう音楽ってあると思うけど、
私にとってのそれがJUDY AND MARYでした。
あんな4人が1つの音楽を作ってたんだからすごいよね。