平安気分

後宮(1) (KC KISS)

後宮(1) (KC KISS)

私の好きな漫画家の一人、海野つなみが今回出した本で、
かの「とはずがたり」の漫画化です。
鎌倉時代の物語で、私の好きな平安時代よりは後ですが、
女性にとって、恋する想いを歌に詠んだり、
家の問題に悩んだりする点では、鎌倉も平安も、
そして平成でさえ大きく違う部分はないのだなと思わされます。
違うのは、平安や鎌倉は雅に重きを置いて生きているという点。
私はこの時代の貴族(とその周辺)の生き方が大好きです。
平民には雅もへったくれもなかったと思いますが・・。
漫画はこのあとも続刊予定。
とはずがたり」は、部分抜粋などで読んだこともあったはずだけど、
全体は知らないので、知らないままこの漫画で読みたいと思います。


そんな感じで、歴史ブーム来ました。
大河ドラマで「新撰組!」をやっている頃、
祖母が司馬遼太郎の「燃えよ剣」を購入し、
読み終わった後で私にくれたのですが、それをようやく読み始めました。
受験の頃、時間が足りなくて江戸時代までしか勉強できず、
幕末から現代にかけて、未だに知らないことが多いので、
まずは幕末を学ぼうと思っていたのに、やっぱり私は平安が好き。
改めてまた「枕草子」を読もうかと思っています。あと「伊勢物語」!


普段から当たり前のことだとして理解はしているつもりでも、
過去の書物や、過去のことを書いた書物を読むと、
過去の積み重ねで今があることを実感します。
時としてその実感はとてもむなしくもあり、
古典を一生懸命勉強していた学生時代には嫌いだった、
鎌倉時代の代表的な随筆「徒然草」などに見られる、
「無常観」という観念も、今ではわからなくもない、
とまで思うようになりました。


先日、会社の人のお父様が亡くなられ、通夜に参列してきたのだけど、
私は直接面識があった訳ではないのに、
色々思うところもあって、遺影を見て涙してしまいました。
人はいつか死ぬから、美しいものを見て美しいと思っても、
愛する人を見つけて愛しいと思っても、
その気持ちはいずれ消えてしまうものなんだ、という、
ままならないことに対するもどかしさがわかる気がしたのです。
家を建てても焼けてしまう、花が咲いても枯れてしまう、
学んでも同じ過ちを繰り返してしまう、生きていても死んでしまう。
その儚さを嘆く気持ちもわかる。


ただ、本来の私はやっぱりそんな風に思うのは嫌いで、
いつか死ぬならたくさん楽しいことをしたいと、
そういう風に思いながら生きてくのを理想としてます。
平安時代の貴族みたいに、花が咲いたら宴をして、
スターのうわさ話にはしゃいで、着物の色をあれこれ悩んで、
悪い占いの間だけ大人しくしつつも、バカンスと思ってのんびりしたり、
恋をしても悲しいことがあっても歌に詠んで、
季節と心の移り変わりを感じながら毎日を過ごしたいです。
だから私は清少納言が好き。
現実逃避せず、毎日を楽しく。
それが一番だけど。