夏の雨の日

陽の子雨の子

陽の子雨の子

私は夏の雨の日が大好き。
これはそんな夏の雨の日や、その前の梅雨のじめっとした日や、
きれいな夕焼けや、入道雲が見えてくるようなお話。
はからずも、前回読んだ本とは家出つながりとなってしまいました。


家出つながりというだけでくらべてしまってますが、
精神的に共感できたかどうかという意味で、
私は前回読んだ本よりかは、この本の方が好きです。
家出をしても失う物などないと思う、前回読んだ作品に出てくる「母」と、
家出をしたことで失った物に対して申し訳なく思う、
今回の作品に出てくる「元少年」では、やはり後者の方がまっとう。
私はまっとうじゃない世界の小説もたくさん読むけど、
根本的な部分でまっとうさが感じられるものがきっと好きなんです。


ストーリーは、誘拐や未成年淫行なんかの罪にあたるような、
まっとうとは言えないような展開なんだけど、
夏の空と主人公のまっとうさが救いになっていて、
嫌な感じではありませんでした。むしろさわやか。
ただ、具体的にはどこがどうとは言えないのだけど、
文章が若い感じがしました。軽いというか。
どうしても漫画っぽいというか。